以前から,携帯電話利用の高度化に伴って通信容量が不足するため,さらなる周波数の有効利用が重要になると主張していた(2001年の米上院委員会における公聴会資料)。現在でもこの問題はあるのか。 ある。そもそも通信容量が足りることは絶対にない。携帯電話事業者は,新たな収益源の確保のために新しいアプリケーションを提供し続けるからだ。そのアプリケーションには一定の帯域が必要で,帯域にはコストがかかる。より多くの帯域を,さらに安いコストで提供できるようにしなければならない。 コストをかけずに広帯域化するには,周波数利用の効率化が必須となる。しかし,残された効率化技術は限られている。周波数分割多重(FDD),時分割多重(TDD),符号化といった技術による効率化は既に利用済み。残されているのは,「OFDM」(直交周波数多重)と「空間多重」といった技術くらいしかない。このうち,OFDMによる効率化は「それな