写真1●ウィルコムが2006年2月に発売した高度化PHS端末「AX520N」 8Xパケット方式に対応し,最大約400kビット/秒の高速データ通信が可能である。NECインフロンティア製。 ワイヤレス通信の進歩によって,スーパー3GやWiMAXをはじめとする,数十Mビット/秒の速度を実現できるブロードバンド・システムが実用化されようとしている。 このような状況の下でウィルコムは,PHSの高度化によって1Mビット/秒クラスの伝送速度を実現するための開発を進めている(写真1)。さらに,来たるべきワイヤレス・ブロードバンド時代に対応するため,最新の技術を導入した次世代PHSの検討を開始した。次世代PHSは現行PHSシステムと無線方式は大きく異なるものの,コンパチビリティや共通性を保ったシステムを目指している。 第1回,第2回ではPHSの特徴とPHS高度化の現状を紹介し,第3回,第4回で次世代PHSの