漫画「タイガーマスク」の主人公を名乗る児童福祉施設などへの寄付が今も相次いでいる。 最初は昨年のクリスマスに、前橋市の児童相談所前に「伊達直人」がランドセル10個を置いた。年が明けるや、その輪は全国に広がった。こうした心温まる善意のうねりは、日本人が誇ってよい奥ゆかしさと心根の優しさを示しているといえないか。 「タイガーマスク」は昭和45年前後に少年誌に連載され、アニメ化もされた。当時10歳前後だった少年が今の50歳代となる。虎のマスクをかぶったプロレスラー、伊達直人は、出身の「孤児院」にファイトマネーを贈り続けた。マスクは匿名の象徴でもあった。 一連の寄付には、自己満足のための偽善の押し売りではないかなどとする声もある。しかし今のところ、心配されるようなトラブルは聞かれない。物を置いていくだけではなく、双方向の継続的交流が必要だとする問題提起もあるが、まず大切なのは、そこに喜ぶ子供の笑顔