M&A(企業の合併・買収)助言会社「レコフ」の調査によると、海外企業が日本企業に対して買収や出資などを行う対日M&Aのうち、2010年は中国企業による件数が前年比42・3%増の37件と、1985年の調査開始以来初めて首位になった。 85年以来トップだった米国の35件を抜き、中国企業による活発な「日本買い」の動きが浮き彫りになった。 中国企業による対日M&Aの件数は5年連続で増加している。10年は中国の繊維大手がアパレル大手のレナウンに資本参加するなど、上場企業への投資が目立った。 一方、円高を追い風として、日本企業による対外M&Aは、件数が同24・1%増の371件、金額でも同26・8%増の3兆6652億円と、ともに2年ぶりに増加した。特に、商社を中心にレアアース(希土類)やレアメタル(希少金属)など天然資源の確保を目指した海外企業の買収などが同72・4%増の50件と目立った。