【ニューヨーク=黒沢潤】国連の潘(パン)基文(ギムン)事務総長が今月3日、中国の軍事パレードを含む抗日戦争勝利70年記念行事に出席したことに、有識者ら国連周辺から批判の声が出ている。国連の「中立」にそぐわないだけでなく、母国・韓国向けの「政治パフォーマンス」に利用した側面もあるとみられるためだ。 国連研究で知られる米コロンビア大のアンドリュー・ネイサン教授(政治学)は潘氏の行事出席について、「国連は第2次世界大戦後、戦争の勝者のみならず世界の国々を代表する機関として創設された。国連が戦争の一方の側の記念行事に関与すべきではない」と批判。また、一党独裁国家が最新兵器を披露する場ともなった軍事パレードへの出席について、「パレードは高度に政治化され、勝利主義、愛国主義、軍事強大主義を体現したものだ。事務総長としてたしなめるべきであり、鼓舞すべきものではない」と強調した。 米ニューヨーク大のジェロ