[1]凄まじい「知性へのヘイト」はなぜ生まれた 憎悪の本当の対象は、「学問・知・書物」?!理論的な説明では乗り越えられない現実 香山リカ 精神科医、立教大学現代心理学部教授 「香山さんに質問。戦後生まれの人間がいつまでも戦争責任だの植民地支配だの言われ続けることは、日本人に対する不利益・差別に該当しないの?」 マイケル・サンデル『これからの正義の話をしよう』(ハヤカワ・ノンフィクション文庫、2011年、単行本版は10年)の第9章「たがいに負うものは何か?―忠誠のジレンマ」では、まさにこの問題、「前の世代の不正を謝罪し、補償する意味や必要はあるのか」というテーマが戦争責任を例に論じられていた。 匿名で気軽に思いや考えを発信 では、この質問も大学の私のゼミか何かで学生から発せられたものなのだろうか? そうではない。これはある日、ツイッターで会ったこともない相手から、投げかられた問いなのである。