子供を性行為の対象として描いた漫画やゲームなどについて、警察庁の「バーチャル社会のもたらす弊害から子どもを守る研究会」(座長・前田雅英首都大学東京教授)は性犯罪を誘発するとし、業界の自主規制や販売規制など対策強化を求める報告書をまとめた。 業界に期待できぬ自主規制 性犯罪の被害に遭う子供が後を絶たない中で、この報告書が公表された意義は小さくない。だが、果たして業界による自主規制の効果を期待できるのか甚だ疑問である。子供を性欲の対象とするわいせつ漫画を制作・販売していながら、社会への悪影響を考慮して自主規制する良心的な業者が多く存在するとは到底思えない。悪質な性犯罪を誘発するという問題の深刻さを考えれば、自主規制や販売規制ではなく、制作そのものの禁止を検討すべきだろう。 「被害者の裸を見て、コミック誌に女の子の身体に針を刺す場面があったのを思い出し、被害者をもう少し弄(もてあそ)ぼうと思