日本の公的債務への懸念は行き過ぎだ――4つの解消法はいずれも現実味無し、5つ目の選択肢は“債務と共生” 1000兆円。1000000000000000円。国内総生産（GDP）比239％――。日本の公的債務の壮大な規模を示すだけで、予告された惨事の戦慄が走り、道徳的な警鐘が鳴る。これほど大きな債務は、間違いなく金融の大惨事に終わる筈だ。「ギリシャを見ればいい。それで議論は終わりだ。何か手を打て。それも今やれ、怠け者め」ということだ。債務は日本の経済的な議論を麻痺させ、税や歳出を巡る政治的な意見対立を抑え込み、あらゆる景気刺激策に影を落とす。だが、財政のアルマゲドン（終末）を告げる20年間の警告にも拘わらず、債務危機は一度として起きなかった。『リーマンブラザーズ』の破綻と東日本大震災のショックにも拘わらず、危機に近い事態さえ起きていない。トレーダーの間には、日本国債の空売りを指す名前がある。“