入り口から出口まで一貫してデジタル処理する「フルデジタルアンプ」は、アナログでは望み得ない高精度のボリウムコントロールと忠実な信号伝送が期待できる。しかし、このタイプのアンプにはまだいくつかの問題があるようだ。 フルデジタルアンプの欠点 1.演算の桁落ちによる情報量の減少 「ボリウム」コントロールはアナログでもデジタルでも課題が多い。デジタルの場合は演算処理の桁落ちによって情報の欠落が起こる。特にゲインを絞る処理が割り算で行われていると小音量で極端に情報量が減ってしまう。従い、これにどう対処しているか、確認することが重要。 以下は対処策の例 (1)割り算をせず出力の波高値を変える(ソニーS-Master Pro のパルスハイトボリウム)。 (2)小音量用の電源を別途用意して切替えて使う(ケンウッドのR-K1000に搭載されていたClear Aモード)。 (3)十分長い演算語長を持たせる。