固相金属同士の圧着は,両者の清浄な金属面を露出させて加圧することで達成される。Auパッドは,表面に酸化被膜を形成しないが,有機物や水分等の接合阻害物の吸着しやすい性質を持つ,このためAuパッドの接合性は,吸着している接合阻害物の種類と量に大きく影響される。一方,Alパッドは,表面に化学的に安定な酸化皮膜を形成しており,表面の吸着作用が少ないという性質を持つ。したがって,Alパッドの接合性は酸化皮膜の除去の容易さで決まる。 図1は,窒素中で接合した場合の加熱温度と接合性の関係を示す。AuパッドはAlパッドに比べて接合温度の影響が顕著で,20℃と200℃で大きな差が生じている。接合時の加熱は,①表面吸着物,特に水分の放出,②材料の軟化による塑性変形の増大,③接合界面の原子拡散の活性化を促し,接合性を向上する効果がある。Auの場合は①の影響が大きく,Alの場合は②の現象による酸化皮膜の破壊促進が