心配事などがあるとき、夜、布団に入っても寝つけない、途中で目覚める、目覚めが早すぎて二度寝ができない、などの一時的な不眠は、健康な人にも起こります。原因がはっきりしている不眠は、通常、数日から2週間ぐらいで元に戻ります。ところが、不眠が長引くと、日中にも眠気やけん怠感などの心身の不調が現れ、仕事や家事に支障が出るようになります。このような慢性化した不眠が3か月以上続くと、不眠症と診断されます。 不眠症を長引かせる大きな原因の一つが、不眠が続くことによる不安や焦りです。不眠を招いた原因そのものが解決されても、眠りたいけど眠れないこと自体が悩みになって、慢性化していきます。 もう1つの要因は、独特の睡眠習慣です。早く眠りにつくために、寝床に早く入るとか、朝も寝床にいることでまた眠れるのではと期待するなど、"寝床にしがみつく習慣"がついてしまうと、それらがいっそう眠れない時間を増やし、不眠を悪化