趙振華(著)『洛陽古代銘刻文献研究』、三秦出版社、2009年12月。 石刻史料を使う研究者の間で注目されている一冊。 最近、この分野のブログが妙にたくさんあるのに、あまり紹介されていなかったような気がするのは気のせいだろうか。むしろ重要すぎると紹介されないということもあるのかもしれない。やはりネットだけでなく、書店などでじっくり本を見て情報収集しないと新しい情報は得られないわけである。 注目されている理由はいくつかあるが、全八編にわけられたうち、唐代墓誌は「官吏平民編」「民族異域編」「宗教階級編」の三編で構成されており、これまでの唐代史の描き方を詳細に、またはダイナミックにとらえなおす手がかりとなる可能性のある新出墓誌がいくつか含まれているところがポイントか。 「民族異域編」からはユーラシア大陸の一帯感さえ感じられる。 陳忠凱(他編)『西安碑林博物館蔵碑刻総目提要』、線装書局、2006年5