大学を卒業したが就職がなく、路上で野菜売りをしていた青年、ムハンマド・ボアジジ氏が政府の政策に抗議し、焼身自殺を図った。そのことが、大衆の間に伝わり、いち地方都市で起こった焼身自殺が、チュニジア全体に火をつけることとなり、結果的には、ベン・アリ体制が打倒された。 このチュニジアで起こった焼身自殺は、体制を打倒する起爆剤として、極めて有効だという認識が、一部のアラブ人の間で、広がったのであろうか。ムハンマド・ボアジジ青年に続いて、焼身自殺を試みる人たちが、その後、軒並みに登場した。 エジプトでは議会ビルの前で、反政府のスローガンを叫び、イスマイリヤ市でレストランを経営している、アブドルモナイム・カーメル氏50歳が、焼身自殺を試みたが、一命を取り留めている。彼には4人の子供がいたのだ。 アルジェリアでは4人が焼身自殺および、自殺未遂と伝えられている。サヌーシー・トウアト氏がモスタガーネム