藤井光×羊屋白玉 美術家・藤井光さんと演出家・羊屋白玉さんによるこの対談の前半は、フリーペーパー『ゆっくり考えたい』第3号(2011年10月発行)にて、 アーティストの実践を伝える特集として収録されました。本サイトでは、未収録部分とともに掲載します。 活動・運動としての芸術を焦点に、社会運動との接点を探ります。 リレーショナルアートとアクティヴィズム 藤井 僕自身は、自分の活動をリレーショナルアートの批判的継承と捉えています。リレーショナルアートは、1990年代後半にニコラ・ブリオー Nicolas Bourriaud(1965年-)が提唱した概念です。例えば、アーティストが観客にカレーを無償で提供し皆で食べることで、そこに新しい関係性を創出していくことであり、それをアートと捉えた。日本では「関係性の美学」と訳されています。「物」としての「作品」から、人間同士の相互作用に注目した。し