──ゲーデル先生が大きな紙袋を長くてかたいパンでいっぱいにしながら事務所にはいってくると、カンパネルラ君はハンディな掃除機の充電をはじめていました。 ゲーデル ‥‥カンパネルラ君。夜更かししたあげく、そんなさえないものを買ってしまって。重いユーロ硬貨を吸い上げるほどパワフル? それに何の意味があるんだい? まったく先が思いやられるよ。将来、何になるつもりなんだい? カンパネルラ もちろん、ウソツキでイイカゲンな、エッチのうまい人ですよ。 ゲーデル それは、なんとまあ、立派な青二才だねえ。 カンパネルラ ほっといてください。何を買おうとぼくの自由じゃありませんか。いい年こいた大人が、子供の「自由」に口出さないでください。 ゲーデル しかしあまり「自由」「自由」というのも、なんだか不自由な感じがする。 カンパネルラ 田中康夫の「恋愛自由自在」みたいなものですか? ゲーデル いや、あのね。君は「