ダブルスタンダードはなぜ批判されるのですか？ | Mond - 知の交流コミュニティ白石直人:重要な点として、規範命題（～べきだ、や是非を問うタイプの命題）は事実命題とは違い、命題単独で検証することは出来ない、という点が挙げられると思います。 このことは「一定の理由のある遅刻を厳しく叱責することの是非」のような身近な事例から「政府の行動は間違っている」のような政治論争まで、規範的な問題をどのように考え議論するか、を考えてみれば分かると思います。例えば遅刻の叱責ならば、他の人、他の似たような状況、似たような迷惑のかけ方、など（あるいは過去の似たような事例でどうだったか、どうすべきと思ったか）を考えたうえで、果たしてこのように叱責するのが妥当か、それともやりすぎか、を判断する場合が多いと思います。これは、より一般的・抽象的な「Xという条件を満たす行動は、Y程度の叱責に値する」という基準があり、今回の事例にその基準を当てはめて是非を判断する、という論証過程をたどっていると理解で
