史上初の個人4冠――12月3日に行われたJリーグアウォーズは、さしずめ「寿人祭り」の様相を呈した。フェアプレー個人賞・得点王・ベストイレブン・MVP。そこに優勝・フェアプレー賞高円宮杯とチームで受賞したタイトルを含めれば、なんと6冠。受賞後のミックスゾーンは、まさに「寿人・寿人・寿人」。日本サッカー史に「佐藤寿人」という名前を力強く刻みこんだ1日となった。 優勝チーム紹介時を合わせて5度、スピーチ台の前に立った佐藤は、その多くを「感謝」の言葉に費やした。息子のサッカーのために繁盛していたラーメン店をたたみ、転職・転居を決断した父と母。生まれた時から側にいてシュート練習にも付き合ってくれた、双子の兄であり良きライバルでもある佐藤勇人(現ジェフ千葉)。どんな時も背中を押して支え続けてきたサポーター。もちろん、森保一監督やスタッフたちへの感謝も惜しまない。 その中でもすべてのスピーチで特に強