――2015年にスタートした「響け!ユーフォニアム」シリーズですが、企画を立ち上げた当時の出来事で印象深く覚えていることをお聞かせください。 最初に原作を読んだときの感想としては、吹奏楽が題材であることより「宇治が舞台の作品をやるのか」という印象のほうがありました。「我々のスタジオがある土地が舞台の作品をやる」というのが最初の印象でしたね。近所なので、いくらでも取材ができるなと(笑)。吹奏楽ということに関しては、僕は正直ここまで演奏等をちゃんと描くことになるとは思っていなかった。何故かと言うと、絶対無理だと思っていたので。たくさんの人が楽器を操っていて、その一つ一つを音に合わせて指を動かすなんて……結果的にはなんとかやりきってしまいましたけど、当初はやっぱり無理だろうと思っていて。 ――無理だと思われていた演奏や楽器の描写をしっかりやることになったのは、何かきっかけがあったのでしょうか?