作者が17歳の高校2年生、しかも全編をケータイで打ったことで話題の小説『りはめより100倍恐ろしい』(角川書店)は、人間関係のストレスで圧迫死しそうな10代の高校生活を、あくまでカラッとユーモラスに描いた点で大いに評価できるが、実はやや釈然としないものも残った。それはズバリ、「オタク」の扱われ方である。 そもそも、主人公が最後に握った一発逆転のカードが、「相手が中学時代にオタクだった過去を暴く」というもの。どうも現実の高校生活において、「オタクであること」は階層社会の一番下に属することであるらしい。……うーむ。 その辺を、恐る恐る作者の木堂椎(こどうしい)さんに直接尋ねてみると、彼も言いにくそうに、「どうしても、気持ち悪いと思っちゃう面はある」――正直だ。むろん、これは木堂さんというより、フツーの高校生の偽らざる感覚なんだろう。 インターネットの巨大掲示板「2ちゃんねる」に、「電車男」が“