福島市から国道4号を南へ、二本松市を抜けて大玉村の山すその道を車で50分。目的地への表示板もない道筋を、途中で何度も迷いながら、コンビニで会った地元の人に案内してもらって、ようやく目的地にたどり着いた。 大玉村玉井の仮設住宅。敷地内の集会所を使った仮診療所に、白衣の「その人」はいた。 「双葉郡医師会 会長 井坂 晶(いさか・あきら)」。 名刺の医師会の事務局住所は、東電の福島第一原発から半径20km以内の警戒区域で、立ち入りが禁止されている双葉郡双葉町のままだ。 週1回、マイカーを駆って通勤 この日は、ちょうど震災から5カ月経った8月11日だった。午後2時46分、仮診療所では看護師らが正座し、原発があり、津波が押し寄せた海岸側の東方面に向かって静かに手を合わせた。 「3・11から、時計が、時間が止まったままなんだよね。そう、一切、すべて。9月11日が来たら、もう半年、もう半年ですよ」。 富
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