原発事故による放射能汚染。目に見えない相手だけに、少しでも多くの情報が必要とされています。朝日新聞では、連日、朝刊と夕刊で各地の放射線モニタリング調査を掲載しています。前日とほとんど変化がなくても、減少傾向であっても、必要な情報と考えるからです。 原子力事故で放射能の拡散動向の示す役割を担っている文部科学省所管の「SPEEDI」(緊急時迅速放射能影響予測)というシステムが沈黙している状況ですからなおさらです。SPEEDIのデータは、今回の震災ではトラブルを理由に公表は地震から2週間も経った3月23日。しかも、今のところ、この1回だけです。 そんな状況ですから、気象学者の活躍が期待されました。大気の流れの研究は、気象研究のど真ん中、シミュレーションはこの分野の研究者ならお手の物です。海外の研究機関の予測はインターネットで日本でも直ちに見られます。防災に密接に係わる研究をしている気象学者が、い