イプシロンロケットは3段式固体ロケットです。固体ロケットには火薬(推薬)を使用した機能がたくさんあります。主推進装置、姿勢制御装置、分離装置などです。また試験機では3段の上段と2段姿勢制御装置に液体推進装置を載せています。このような固体・液体の推進薬(火薬)に誤って火が付いた場合、大きな事故になってしまいます。またロケットの組立てにおいては高所作業などがあり、作業員の落下などの事故も考えられます。 このような事故から人、ものを守るため、イプシロンロケットでは開発の初期段階から安全設計を実施し、事故を未然に防止し、安全な状態で組立て・打上げを行おうとしています。今回はこの安全設計について説明します。 ハザードとは 安全の世界では、事故をもたらす状態が顕在または潜在していることを「ハザード」と呼びます。例えば「点火電流誤入力によるロケットの不期(意図せぬ)発火ハザード」などです。ちょっと長いハ