「未来は予測できない。我々がどういう未来を目指すかでそれは決まる」――。日経BP 創立50周年記念フォーラムに4月23日登壇した、慶応義塾大学の環境情報学部教授でヤフーCSO(チーフストラテジーオフィサー)の安宅和人氏は、会場の若者に40分間の熱いメッセージを送った。来場者アンケートで「参考になった」「とても参考になった」が全体の98%を占めた熱狂セッションをここに再現する。本稿後半では日本初の実証実験「観光型MaaS」の取り組みを紹介する。 この30年で一番大きな変化は、コンピューターを持ち歩く時代になったことだと安宅氏は指摘する。その間、コンピューティングパワーの増大化、ネットワークの高速化が進み、計算処理のキャパシティーが上がるにつれて、データサイエンスも進化していった。 「ニューラルネットワークの概念は私が学生の頃からあったが、動かないことで有名だった。それが大量のデータが処理でき