壁面を青々とした草木が覆い、赤や黄色の小さな花々が咲く福岡市・天神のビルが、道行く人たちの目を引いている。 「小さな里山みたいでしょ。庭を『タテ』に造ったんです」と説明するのは、国内外で活躍する長崎市出身の造園家、石原和幸さん(53)。このビルにオフィスを構える広告会社「グランドビジョン」の依頼で、今秋、1か月半かけて造った。 壁面にコケをはり、ツワブキやアオキ、ナンテンなど約100種を植栽。面積は約250平方メートルで、花が咲くものでは、西日本最大という。自動散水で管理し、季節ごとに違う花々を楽しめる。 石原さんは「福岡はたくさんの人が集まる場所。ビルを見た人が『自分の街にも緑を』って思ってくれて、緑化ビルが広がれば」と期待している。