先日、私の母が入院した 突然の病だとか不幸な事故だとかではなく、計画された入院である 母の入院に際して、夏休みで在宅中だった小学4年になる私の娘は、その日が1日また1日と迫る来るのを悲しそうにカウントしていた 入院予定日前日に至っては、「おばあちゃん」をどうにか入院させまいと風邪を引かせる努力をしていたが、コロナ対策も万全だった母には通用しなかった 当日の朝、母の居室である和室の襖の前に娘が座り込んでいた 娘の目はすでに赤く充血していて、小さな手に握られた紙片は涙でほんのり濡れていた 困った顔をしつつも嬉しそうな母は娘が座り込んでいる逆の襖を開け部屋から出てきた 娘は「おばあちゃん」の入院する意思の固さを感じ取ったのか、和室封鎖を諦めて私に泣きすがってきた まるで今生の別のようだなと、微笑ましくも思わず目が潤んだ 病院に送迎してくれる車が到着した 荷物を運び入れ母が乗り込もうとした時、娘は
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