消費税増税に「命を懸ける」と執念を燃やす野田佳彦首相はついに公務員制度改革関連法案を断念した。公務員制度改革とは名ばかりで官公労の権限を強化する「お手盛り」法案だけに当然の判断だといえるが、連合は法案成立と引き換えに消費税増税を支持し、「国民の生活が第一」の小沢一郎代表との関係を断ち切っただけに収まらない。連合が政権の命脈を断ち切る可能性は十分ある。(比護義則) 「公務員制度改革法案は頑張ります!」 19日の連合中央執行委員会に異例の参加をした民主党の輿石東幹事長は声高に強調。だが、連合の古賀伸明会長は黙ってにらみつけただけだった。 それほど古賀氏は、政府・民主党の公務員制度改革への本気度に強い疑念を抱いている。6月28日の政府の行政改革懇談会でのやりとりはそれを象徴した。 「利益を生み出さない公務員に協約締結権を与える必要などない」 JR東海の葛西敬之会長がこう発言すると、京セラの稲盛和