裏をかいたが… 29日、日銀は予想外の一手として「マイナス金利の導入」を決定した。マイナス金利は、日銀内部でも見方の割れる一種の劇薬だ。今回の措置は、黒田総裁が任期中に「劇薬を用いてでも物価目標を達成する」という強い意図を表しているといえる。 しかし足元の経済・金融の状況を考えると、物価が日銀の想定通りに上昇するとは考えにくい。 “マイナス金利付き量的・質的金融緩和”をもってしても、物価目標の達成は容易ではない。結局のところ、金融政策に依存してデフレ脱却を目指してきたアベノミクスが正念場を迎えていることを意味している。 年初来、世界の金融市場が不安定に推移する中、21日にはECBのドラギ総裁が追加緩和の可能性を示唆し、市場は若干の持ち直しの兆しを見せた。そして、国内では7月の参議院選への対策という意味でも追加緩和期待が高まってきた。選挙前の景気対策の重要性を加味して、エコノミストらは4月の