幻冬舎のベストセラー『日本国紀』(百田尚樹著)をツイッターで批判した作家の新刊を取りやめたことで、同社の見城徹社長が投稿したツイッターが物議を醸している。すでにいくつもの報道が出ているので、事の詳細は各報道やネット論考に譲るとして、その背景にある出版の慣行や出版構造上の問題点について取り上げることにする。 今回の炎上は「典型例」 今回の事の発端は、作家の津原泰水さんが、幻冬舎のベストセラー『日本国紀』(百田尚樹著)をツイッターで批判したところ、同社から刊行予定だった文庫本の出版が中止になったと訴えたことにある。津原さんは、幻冬舎との一件を13日深夜にツイッターで告発した。 ネットで騒ぎが大きくなり始めたところで、毎日新聞が両者の主張の食い違いをまとめて、いち早くネット報道し、一般にも知れ渡った。 津原さんの指摘した『日本国紀』の問題は、毎日新聞が昨年12月に記事として取り上げていたことも、