イメージ画像(Photo by Ishikawa Ken from Flickr) 平昌オリンピック時のカーリング女子チームがきっかけで話題となった「もぐもぐタイム」という言葉が今、全国の小学校で形を変えて使われている。給食の全時間および一部時間、私語を禁止する学校やクラスが増えており、「黙食」または「もぐもぐタイム」などと呼ばれているのだ。 さらに、食べることに集中させるため、授業中と同じように机を黒板に向けたまま食べさせる学校もあるという。 しかし、無言の給食時間は、児童たちにとって心理的ストレスになることもあるようだ。 「今年の5月ごろ、小学3年になったばかりの息子が、突然『学校に行きたくない』と言いだしたんです。理由を尋ねると、『給食の時間が苦痛』だと。息子によると、新しく担任になった先生の方針で、給食中の私語が禁止になったそうなんです。息子を含め、耐えられずしゃべってしまう児童も
「給食の様子を観察していれば、健康状態、交友関係、生活環境の変化など、その子のことがよくわかる」と小嶋園長。さくらしんまち保育園では毎月、100人の園児ひとりひとりの給食の状況を話し合う会議を行っている(撮影/写真部・小黒冴夏)この記事の写真をすべて見る 楽しいはずの給食の時間が苦痛だという子どもたちがいる。背景には時間優先で余裕がなく、「黙食」をさせざるを得ない学校の実情がある。 * * * 給食を苦痛にするものに「食べる時間の短さ」がある。日本スポーツ振興センターの食生活実態調査(10年度)によると、小中学生が給食を残す理由の3位は「時間が短い」。 他業種を経て教職に就いた40代の女性が、小学校の現場でカルチャーショックを受けたのは、時間優先で楽しさが排除された給食風景だった。 「もぐもぐタイムといって、20分のうち頭半分ほどは黙って食べないといけないんです。おしゃべりしたり、ふざ
【親の声】何が学校を不自由にしている?(AERA 2018年12月10日号より)この記事の写真をすべて見る 【先生の声】何が先生を不自由にしている?(AERA 2018年12月10日号より) 時代に合わない規則、忙しすぎて子どもに向き合えない先生、自分の子どもの教育に熱心になるあまりに周りが見えない親……。「学校が不自由だ」という声が数多く寄せられた。いまこそ学校現場の改革が必要だ。 【アンケートを見る】学校が不自由と感じる先生の割合が衝撃的な数字に! * * * 昼どきの小学校は誰もいないのかと思うくらい静かだった。授業参観のため学校を訪れた女性(45)は、当時1年生だった娘の教室の後ろ扉をそーっと開けた。すると、目にとびこんできたのは、全員が前を向いて黙々と給食を食べる姿。 私語は一切なし。楽しいはずの食事の時間がなにかの訓練の場のように見えた。参観に来ていたほかのママ友たちとアイ
新型コロナウイルスの感染対策を巡り、飲食店への自粛要請などが緩和されるなか、なぜ多くの学校で「黙食」が続けられているのか。政府の新型コロナ対策分科会委員に尋ねると、黙食緩和に向けた二つのカギが浮かび上がった。【大沢瑞季】 「そもそも黙食は子どもたちにとって、好ましいことではありません。感染症に注意しながら、緩めるところは緩めて、普通のことができるようにするのが本来の学校の姿ではないでしょうか」 分科会委員を務める岡部信彦さん(川崎市健康安全研究所長)は、漫然と続く黙食に疑問を呈した。大人の世界では、感染リスクをなるべく抑えながら社会経済を回すため、感染状況に応じてさまざまな規制が緩和されてきた。 岡部さんは「『子どもの社会』である学校でも、勉強だけではなく、他者とのコミュニケーションや遊びもひっくるめた教育を戻す必要があります」と強調する。 それには、文部科学省策定の「衛生管理マニュアル」
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