ここ数日、私は日銀を内外から見た数冊の本を読んでいました。それらの中でも特に印象が強かったのは、かつて日銀の審議委員を務めた中原伸之氏の「日銀は誰のものか」でした。 中原伸之氏は57年に東大経済学部を卒業、59年にハーバード大学大学院修士を経て、現・東燃ゼネラル石油に入社86年より代表取締役を努められました。98年4月より02年3月まで日銀政策委員会審議委員に選ばれ、その間の日銀の動きを中心に書かれたのがこの「日銀は誰のものか」です。 98年4月当時は速水総裁の時代です。 中原委員の提案に対する日銀政策委員の「大勢」の対応(茶色)を中心に追ってみましょう。決議の年月も併せてよくみると面白いですよ。なお中原委員を含めた政策委員は9名で、中原委員の提案にご自身(1名)は必ず賛成してることを蛇足ながら付け加えておきます。 ---------------(要約) 98年6月、中原審議委員は景気低迷