進みつつあるジェンダーレス社会について、私たち親は、娘や息子たちにうまく説明できるだろうか? ジェンダー研究の第一人者に聞きます。 【上野千鶴子のジェンダーレス連載vol.10】「東大の合格率にも経済力が関係する時代?」 Q.前回は地方の進学率の低さについてお聞きしましたが、一方で地元大学へ通う人が増えているとか。どういうことなのでしょうか。 そうなんです。 今、大学生の地元志向が増えています。地方国立大学はとても人気です。大学生の自宅通学率も高くなっています。 県外に子どもを出すと、授業料に加えて生活費の仕送りが必要になります。それは、親にとっても結構な負担になります。でも地方の国立大学なら、授業料は安いうえ、家から通える場合が多い。 ですので、地方大学は倍率も上がり、優秀な子がたくさん集まってきているのです。不景気で都市部の雇用機会が減ったこともあり、それが教育業界にも反映されています