最近、パリから帰国した筆者の知人は、ホテルや街中のディスプレーなどパリ市内のいたる所にサムソン、LGなどの韓国製液晶テレビが浸透していることに衝撃を受けたという。 日本企業の存在感は低下し、目立ったのはオペラ座近くに出店したユニクロぐらいで、おしゃれなパリジェンヌ達が列をなして買い求めていたそうだ。円高とデフレは、グローバルな視点でも日本企業の勢力図を塗り替えているのだろうか。 金融危機が表面化した2007年夏以降の円高は、対ドルだけでなく、韓国ウォンや人民元に対しても急速に進んだ。通貨安を背景に韓国や中国は輸出を飛躍的に伸ばす。 一方で日本企業の競争力は低下し、業績の回復力は鈍い。企業は雇用調整や給与削減を進め、その結果、個人消費が落ち込み需給ギャップが拡大、デフレが深刻化している。 やっかいなのはデフレが進むと実質金利が上昇し、一段の円高につながるというデフレと円高の悪循環だ。ユニクロ