パナソニックは三洋電機の子会社化により、世界的な成長が見込まれる太陽電池と充電池の2事業を取り込み、「2018年に世界首位の電機メーカーになる」という目標に向けた戦略を加速させる。ただ、株式公開買い付け(TOB)の開始が当初見込みより約8か月遅れた間に、韓国や中国の競合メーカーが急成長しており、パナソニックは三洋との統合効果を早期に出す必要がある。(大阪経済部 中川賢) 成長エンジン パナソニックの大坪文雄社長は10月30日の中間決算記者会見で、「世界で起きようとしている『環境の革命』の時代にマッチした製品を生み出していける」と述べ、三洋がグループに加わることの意義を強調した。 世界的な価格競争の激化で、主力の薄型テレビなどで利益を稼ぎにくくなっているパナソニックにとって、リチウムイオン電池などの充電池と太陽電池は、「(次の中核事業として)のどから手が出るほど欲しかった事業」(役員)だ。