いうなれば、現実世界はレイの本数が“無限大”というイメージである。合わせ鏡を例に取ると、キャストされたレイが向かい側の鏡で反射するので、再びそこからもう元の鏡に向かってレイがキャストされ……という具合に、レイの発射と反射が無限に繰り返されて「無限鏡像」ができる――こんな感じで捉えられる。 映画などに用いられるCGは、ほとんどがレイトレーシング法で描画されるのだが、さすがにレイの本数を「無限大」として処理してはいない。作品にもよるが、1ピクセル当たりで少なくても数十本、多ければ数百本以上のレイをキャストして描画を行っている。 前回、実際にレイトレーシング技術を活用した近年のゲームタイトルにおけるグラフィックスを紹介したが、現状のGPUが備えるレイトレーシング性能がそれほど高くない。そのため「RTを絡めて30~60fpsのフレームレートを“安定して”維持できるのはフルHD解像度(1920×10