ある日研究室で 私の研究室をある学生が訪れました。 「せんせー。せんせーが新しく出版された○○○○の楽譜を貸して欲しいんですが」 「ほー、嬉しいねえ。研究材料にしてくれるんだね。じゃあスコアだけでいいね」 「いえ、パート譜も。私の出身の高校のバンドで演奏するんです」 「あ、そうなんだ。でももう発売されてるよ」 「はい、でも買うと高いから顧問の先生が借りて来いって...」 「で、コピーしようってワケ?」 「はい」 「m...」 私が短気な人だったらこの学生は怒鳴られていたでしょう。彼女は「あなたの楽譜はお金を出して買うほどのものじゃないからタダでください」と言ったのと同じなのですから。腹が立つというよりも呆れました。そして諭して帰らせました。最近でこそこんな学生はいなくなりましたが、かつては音楽大学の学生ですらこのありさまでした。 楽譜はコピーするもの? 話を聞くとこの学生が過ごした中学校と