年の瀬の押し迫った近所の商店街で、魚屋の店先にドドーン!と荒巻鮭が並んでいるのを見た。見てしまった。思わず「うわー」と声が出て、次に出た言葉は「いやー、どうしようかなー」だった。 この「どうしようかなー」は、決して「お世話になった○○さんに今からお歳暮として荒巻鮭を贈ろうかなー」ではなく、もちろん「買っちゃおうかな、やっぱり止めとこうかな」にかかる言葉である。 しかしだ。一人暮らしで丸ごと一匹のシャケを買ったところでとてもじゃないが食べ切れないぞ。いや、でも。 店頭で散々考えた挙げ句、「しばらくはシャケだけで食い繋ぐことになっても本望」という結論に達していた。つまり買ったのです。丸ごと一匹。 (高瀬 克子) 4千円のシャケ 仕事熱心というか用意周到というか、シャケ一匹を丸ごと買うと決めた時点で「これはデイリーの記事になりそうだ」と判断し、たまたま一緒にいた友人に写真を撮ってもらうことにした