大槻ケンヂが 小沢健二の「天使たちのシーン」をカヴァーしていたことには 何となく覚えがあった。 そのカヴァーを収録した 大槻ケンヂのソロ・アルバム「I STAND HERE FOR YOU」が 発売されたのは1995年。 当時、何かの雑誌で この曲を歌ったことについて インタビューに答えているのを読んだ。 小沢健二のセカンド・ソロ「LIFE」に夢中だったぼくは 大槻ケンヂの主張に「へえ」と耳を傾けつつも、 “オザケン”の足を 沼から伸ばした手で引きずり込むかのような“オーケン”の存在に 斜めから見たジョーク以上の意味を感じていなかったのだ。 浮かれた90年代は、 オザケンこそが“今”という時代に責任を持つ者であり、 オーケンはそこにウンコを投げつける者であるという 大いなる錯覚によるしあわせをぼくたちに見せていた。 「天使たちのシーン」が 小沢健二のソロ・キャリアで残された他のどの楽曲より