今後、世界の人口は増え続け、2030年までに水の需要は今よりも40%も増加すると推測されている。降雨量の多い日本は水を当たり前のように自給自足できるが、途上国を中心に、世界ではいかに水を確保するかが官民あげての課題だ。 別の角度から眺めると、それは今後のコモディティの覇権(水利権)を握るカギと言える。世界の水市場は25年には約110兆円にまで成長すると見込まれており、近年は日本企業も世界の水利権の争奪戦に関与し始めている。 脱塩化工場の建設などだけでなく、浄水、排水・給水、排水処理など、水事業の総合マネジメントをするようにもなってきている。例えば日立製作所はイラクのバスラに脱塩化工場を建設し、今後は1日約20万立方メートル(約50万人分)の水道水を供給するという。 技術面では日東電工の開発した水の分子だけを通す逆浸透膜などが世界で高い評価を受けている。商社も水メジャーを目指す動きを活発化さ