昨年9月、奈良県五條市の県立五條病院敷地内で男性銀行員から現金約150万円などが入ったカバンを奪ったとして、強盗などの罪に問われた同市丹原町、プラスチック加工業、中山裕司被告(54)の判決公判が、奈良地裁五條支部で開かれ、岡本康博裁判官は「強盗罪にはあたらない」として懲役3年、執行猶予5年(求刑懲役5年6月)を言い渡した。 岡本裁判官は判決理由で、中山被告が銀行員にスプレーでかけた液体は酢を混ぜた水で、かけられた後も銀行員はバッグを取り返そうとするなどしており、強盗罪の構成要件の「被害者の反抗を抑圧するに足りる暴行」ではないと指摘。暴行と窃盗罪にあたるとした。 判決によると、中山被告は平成27年9月、五條市の県立五條病院駐車場で集金を終えた南都銀行五条支店の男性職員=当時(63)=にスプレーをかけ、現金約150万円などが入ったボストンバッグを奪うなどした。