【カイロ=長谷川由紀】イラクの首都バグダッドで22日、同時テロとみられる爆発が10か所以上で発生した。 ロイター通信によると、少なくとも63人が死亡、194人が負傷した。18日の駐留米軍撤収完了後、最悪の規模となった。 中心部カラダ地区では爆発物を仕掛けた救急車が政府庁舎近くで爆発し、少なくとも18人が死亡した。 爆発には、イスラム教シーア派と少数派のスンニ派の対立が影響していた可能性がある。シーア派主導の政権を率いるマリキ首相は、米軍撤収と同時にスンニ派のハシミ副大統領にテロ関与容疑で逮捕状を出すなど、スンニ派排除の動きを強めている。2006~07年に内戦状態にまで発展した両派の抗争が再燃することへの懸念も強まっている。