前回は、量子コンピュータの特徴について書いてみたが、肝心の「量子とは何か?」、そして「量子テレポーテーションとは何か?」については、まだ解説していなかった。今回は、量子とはどんなモノであるかについて、簡単に解説してみたい。 “量子”について、辞書で調べてみると、広辞苑第六版には「不連続な値だけを持つ物理量の最小の単位」と出ている。要は、原子よりも小さく物質を分割したときの小さな粒子、例えば電子や光子(光の粒子)などは「量子」ということになる。 では、「不連続な値だけを持つ」とはどういうことなのかというと、電子や光子などといったサイズの粒子は、それ以上分割できないため、そのエネルギー量は、1個分ずつ大きくなり、中間の値を持たないということだ。例えば、電子の持つエネルギー量は、電子1.5個分というような中途半端な値になることはないのだ。 こう書くと当たり前のことのようだが、1905年に初めてア