パナソニックがテレビ事業の大幅縮小に伴い、千葉県茂原市にある液晶パネル工場の平成23年度中の操業停止を決めた。県と市が企業立地の助成制度で90億円の補助金を準備して誘致し、18年5月に開業してから5年余り。県の担当者は「こんなに早い撤退は予想していなかった」と頭を抱えている。 県や市によると、補助金は15年間の分割交付で、制度の対象事業としては最大規模。長期雇用の確保や地元への経済効果を見込み、県が50億円のうち20億3000万円、市が40億円のうち13億5000万円を支出済みだった。 県が23年度分を支出したのは、10月末に同社がテレビ事業の大幅縮小を発表する直前。県の担当者は「パナソニック側は雇用問題などに『誠意を持って対応する』と話していたが、影響は深刻」と顔を曇らせた。