本記事では、10年間幾つかのメーカーを渡り歩いた後に、長野県で実家の事業を継いで新装開店し、明るく楽しく苦しみながら設計業を切り盛りする30代経営者の奮闘をお伝えする。記事後半では、生き生きとした設計者修業のエピソードも紹介する。 「あなたにとってのモノづくりとは、何でしょう?」 いま、多くの日本メーカーで失われてしまった、大事なことを考えてみたい。 伊那の自然に囲まれた設計会社 スワニーは、長野県伊那市にあるスタッフ10人ほどの設計会社だ。最寄り駅の電車の本数は、1時間に1、2本ほど。伊那の自然と畑に囲まれた建物にその事務所はある。「掘っ立て小屋みたいでしょー」と同社の3代目社長である橋爪良博氏は笑う。