東日本大震災が起きた11日午後、湯川史樹氏(34)は東京・芝公園で経営する飲食店「変幻自在」の仕入れに向かっていた。この地震で、多くの帰宅難民が出るだろうと予想した湯川氏は、「今日は一晩中営業します」とツイッターでつぶやき、その晩、帰宅の足を奪われた25人の客に温かい避難場所と1杯のフリードリンクを提供した。 しかし、地震発生後、客はほとんど来なくなった。 「交通機関の縮小運転で、自宅待機の人もいる。外出したとしても、帰宅難民になることを恐れて、夜遅くまでレストランなどで過ごす人はいない」と湯川氏は話す。同氏は、2009年、ソニーを退職後、この店を開店した。 今回の震災でレストラン業界が受ける影響は大きい。ファミリーレストラン最大手のすかいらーくは、16日、燃料不足で工場の生産が追いつかないため、営業を通常のメニューの4分の1に絞り込むと発表した。特に大きな打撃を受けるのは、個人経営のレス