いまだに、現場のカイゼン活動こそが「日本企業が世界に誇る強みの源泉」と無邪気に信じている人が大勢いる。実際、日本企業の経営者には、この現場力を信じる現場重視タイプが圧倒的多数で、現場を“軽んじる”構造改革タイプはごく少数だ(関連記事: ITが大好きな社長は失脚する、その深い理屈を教えよう)。だが、もういい加減にそれが大きな間違いであることに気付くべきである。 このカイゼン、今となってはカイゼンの亡霊といったほうがよいが、それに取りつかれたままでは、日本企業はこれからのデジタル化の時代に生き残れないだろう。間違いなく、カイゼンの亡霊に取り殺されてしまう。カイゼン活動は、現場の創意工夫で取り組む活動のため部分最適の権化。「成果を横展開するのが本当のカイゼンだ」と反論されそうだが、多くの企業で実態はむしろ逆だ。 現場の創意工夫とは、それぞれの現場がオリジナリティーを発揮するということ。モノマネと