仕事ができない人は、自分でボールを持ってしまう人だと思う。 小学生の頃、僕はサッカー少年だった。ミッドフィルダー、いわゆる司令塔的なポジションだったわけだが、よく監督から怒られたことがある。「新平、お前はいちいちボールを持ちすぎだ」 ボールコントロールに自信のあった僕は、パスをもらうたびに一回トラップして、周りを伺いながらドリブルし、何かのタイミングを見計らう癖があった。たまにいいパスは出せているし、相手に取られたわけでもないのに、怒られる理由が分からなかった。 少しあとになって、欧州のプロリーグの試合を見て、何がダメだったのか分かった。彼らは可能な限りダイレクトでどんどんパス回しをし、基本的に最速のテンポで展開することで、気持ちのいいリズムをつくり、ゴールを決めていた。ああ、なるほど。無意味にボールを持つことは、全体のスピードを殺し、リズムを崩し、チャンスを失うことなんだなと。 これは仕