藤田孝典(NPOほっとプラス代表理事 聖学院大学人間福祉学部客員准教授) 大分県は別府市・中津市がパチンコなどのギャンブル行為をおこなう生活保護受給世帯への生活保護の停止・減額措置に対して、是正要請をおこなった。生活保護受給世帯がギャンブルをおこなうことを理由に、生活保護の停止・減額をしてはならないと要請したのである。これらの是正要請を受けて、両市は新年度から処分を行わない方針を決めた。両市の福祉事務所のケースワーカーが管内のパチンコ店などを見回り、生活保護受給者が店内にいた場合は、指導や生活保護上の処分をおこなってきたが、これらは今後おこなわれなくなる。一連のギャンブル行為をおこなう生活保護受給世帯への福祉事務所の関わりが物議を呼んでいる。 今回の騒動を整理したい。まず生活保護受給者はギャンブル行為をおこなってはいけないのか。生活保護法には第60条に「被保護者は、常に、能力に応じて勤労に