競争が嫌い、だから資本主義は嫌、という人がいた。 まあ、言わんとしていることはわかる。 「何を望むのか」と聞くと、 「とにかく、競争がイヤ」なのだそうだ。 まあ、そうだ。競争は疲れる。 「社会保障を手厚くして、(その人の言うには、例えばベーシック・インカムのように)競争に参加しなくても、ふつうの生活ができて、人としての尊厳が保たれるようにしてほしい」 それが、あるべき姿なのだそうだ。 社会保障の原資はどうする?と聴くと、 「原資は、富裕層に課税、企業に課税で、調達すればいいじゃない。」 という。 「競争させられるよりはいいし、働く人は言われなくても働くでしょ。だいたい、経済って、人にとってそんなに重要じゃない。」 と、彼は言った。 彼は、自由市場、競争、私有財産を嫌っているようだった。 ************ 実は、自由市場も、競争も、私有財産もない世界が、かつて現実に存在したことがある
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