筑水キャニコムの製品は、全国の様々な果樹園で使われている農業用機器。それぞれの用途に合わせた極め細かい商品展開で人気を集め、特に運搬機のジャンルではトップシェアを誇っている。特徴は、それぞれの機能を表したネーミング。例えば…F1マシンのような、かっこいい草刈機は「草刈機まさお」。音の静かな電気駆動の三輪運搬車は「三輪駆動静香」。どんな場所にも電気を導くことができる電源付き運搬車は「伝導よしみ」など、ユニークすぎる名前で農家に親しまれてきた。そんな筑水キャニコムは、福岡市から車で1時間の、うきは市という田舎町にある。歯車の削り出しから完成品まで一貫で作り上げる本社工場では、トラクターなどの大手農機具メーカーが手がける商品には手を出さず、ニッチな分野に絞った製品づくりを行っている。 創業者である父の跡を継ぎ、飛躍的に業績を拡大したのが、現会長 包行均(かねゆきひとし)。24歳で父の会社に入社。