驚きの「イスラム教の論理」を解剖する(4) イスラム教の食事習慣と言えば、「いろいろと禁じられているものがあって面倒」「特定のものしか食べられない」などと厳しいルールをイメージする人が多いだろう。しかし実際には、こうしたルールはかなりフレキシブルで、厳密な線引きができるような性質のものではない。 西側社会とは根本的に異なるイスラム教のロジックを解き明かした、イスラム思想研究者の飯山陽(あかり)氏による著者『イスラム教の論理』には、イスラムの食事習慣に関する興味深いエピソードが記されている。 酒も飲むし、とんこつラーメンやソーセージも食べる イスラム教の食べ物に関する基本ルールは、「禁じられているもの(ハラーム)以外は許されている(ハラール)」というもの。禁じられているものは、血、豚、酒である。また病気や事故で死んだ動物の肉、所定の方法で処理されていない動物の肉は、豚以外であっても食べてはい